衣服と引き替えに退化？体毛に隠された5つの役割とは

人間には髪の毛やまつ毛など、なくてはならない毛がありますが、逆にわきの毛など、ムダ毛処理しなければならず、不要に感じてしまうものもあります。人間の体毛にはどのような意味があるのでしょうか。

5つの体毛の役割

体毛の役割①：皮膚を保護する

体毛の意味は、大きく分けると5つの意味があります。

1つめの役割は、「皮膚の保護」です。体毛で皮膚を保護する一番分かりやすい例は、頭の部分にある「髪の毛」です。髪の毛の主な役割は、外部の衝撃から頭を守る「緩衝剤」の役割、紫外線を守る役割など、皮膚を守る役割のほかに、有害な物質を髪の毛から排出する効果もあるとされています。

動物の全身が毛に覆われているのは皮膚の保護という意味も見られますが、人間は、衣服を着るようになったため、毛で皮膚を守る必要性が低下したことから、体毛が退化した、という説があります。

体毛の役割②：異物の混入を防ぐ

2つめの役割は、異物の混入を防ぐことです。異物の混入を防ぐ体毛としては「まゆ毛」があります。

まゆ毛の主な働きは、額からの汗が直接目に入るのを防ぐこと、また、小さなほこりやごみが直接目に入るのを防ぐことです。そのため、まゆ毛は、目を守るための大切な働きを持っているのです。
また、まゆ毛は異物の混入を防ぐだけではなく、カットしたり整えたりして顔をきれいに見せるなど、ファッション性を兼ね備えた体毛であるとも言えるでしょう。

また、身体の外側に生える毛ではありませんが、異物の混入を防ぐ体毛としては、鼻の中に生える「鼻毛」も、耳の中に生える「耳毛」もあります。

特に鼻毛は、体内にほこりなどを侵入させないための重要な働きを持っています。

体毛の役割③：体温を調節する

3つめの役割は「体温調節」です。特に、動物は全身が体毛で覆われていることから、気温が下がった時に体温を保つことができます。

しかし、人間の場合は、遠い昔から、寒い地域に限らず温暖な地域でも生活を送っていました。特に、温暖な地域に住んでいた人たちは、体毛が多いことで、体温が上がりすぎてしまう心配がありました。そのような生活環境に対応するため、徐々に体毛が少なくなっていったものと考えられています。

さらに、人間の場合、衣服で体温調節が可能であることから、現在では体毛で体温を調節する役割はほとんど見られません。

体毛の役割④：触覚としての機能

4つめの役割は、「触覚機能」です。人間の場合、特に触覚機能が高い体毛は「髪の毛」です。

体毛は毛包組織で作られますが、毛包組織には神経の末端部分が接触しています。つまり、体毛が何かに触れると、体毛の振動が毛包組織の神経に伝わるので、体毛が何かに触れていることが分かります。

しかし、人間の場合、髪の毛など一部の体毛を除くと、ほとんどの体毛が退化していることもあり、体毛の触覚機能は薄れてきているとされています。

体毛の役割⑤：性的な特徴を示す

5つめの役割は、「性的な特徴」を表すことです。男性の場合は、ひげや胸毛が性的特徴を表しますが、男女に共通するのは「陰毛」で、特に陰毛が性的な特徴を表すとされています。

また、陰部には汗腺の一種である「アポクリン腺」がありますが、アポクリン腺から出る汗は異性を引きつける効果があるとされる「フェロモン」であり、それが陰毛の部分にたまっていくことで、異性を引きつける効果が高まるとされています。
なお、アポクリン腺はわきの部分にもあるので、わきの毛も性的特徴があると言えるでしょう。

そのほか、陰毛は、性交の時の衝撃を緩和するための役割もあります。そして、縮れていることで衝撃を緩和する効果がより高まるとされています。
体毛の多くはムダ毛と見なされるケースが多いですが、体毛にもそれぞれ意味があることが分かります。

時は2016年！体毛本来の役割は不要に？

上にあげたように、それぞれの体毛には役割があったのは過去の話。

今ではツルツルの足を手に入れてミニスカートをはいたり、ワキ脱毛をしてタンクトップを着たり、眉毛のお手入れをしてメイクを楽しんだり・・・現代の女性たちは様々な形で『ムダ毛処理』を行い、美を楽しんでいます。
ムダ毛においても、時代が変われば役割も変わるのです。時代に合った適切なケアで、現代を楽しみましょう♡

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